間取りの前に「建物配置」と「水回りの配置」を先に決める
玄関の位置や形状、階段位置、各部屋の広さや配置、キッチンの向き、窓配置…などなど、間取りについて考えるほど、夢が膨らむことはたくさんあるのですが…
具体的な間取り検討に入る前に、決めなければならないことが2つあります。それは「建物配置」と「水回りの配置」です。
これらが決まらないと、間取りのパターンは無限大に拡がり、キリがありません。
間取りが決まらない限り、工務店との打ち合わせの回数が増え、スケジュール通りに進行できなくなるか、もしくは工務店から急かされて、十分な検討をしきれないまま次の工程に進んでしまうかもしれません。
この記事では「建物配置」を検討する際の検討項目をご説明していきます。
「水回りの配置」については、こちらで説明しています。
※水回りとは、キッチン、お風呂、洗面所(歯磨き等を行う大型の洗面)を指します
建物配置
建物配置を検討するうえでの検討項目は、「駐車場配置」と「隣地境界との距離」です。それぞれみていきます。
検討項目:駐車場をどこに、どの向きに配置するか(L字駐車など)
注文住宅を建てる方のほとんどは、駐車場は最低でも1台分必要かと思います(ちなみに我が家は2台)。その1台をどこに配置するかによって、建物配置が変わります。
駐車場の位置を考える際、まず、接道の「幅」と「交通量」を考慮しましょう。
接道幅が広く、かつ交通量も少なければ、車のサイズに対してピッタリな駐車場スペースがあれば良いですが、そうではない場合、多少、駐車場の幅や、切り返しのためのスペースに余裕を持った設計が必要です。
実際に現地に車を駐車してみる(土地契約前であれば不動産屋さんに相談)などして、駐車スペースについて検討してみてください。
加えて、現在の車の所有状況だけで考えないことも重要です。将来、もっと大きい車に乗り換える、もう一台車を買う、など、ある程度見えてる未来を見据えて、駐車場は設計しましょう。
ちなみに我が家では2台分の駐車場を確保しました。現在は1台ですが、近いうちに妻の車をもう一台買う可能性があり、そのために2台にしました。
1台は全長5m程度の大型のSUVで、もう1台は今後コンパクトカーを想定しています。
接道の道路幅は4メートルと狭いですが、一方で交通量はかなり少ないです。その要件を踏まえて、1台は道路に対して垂直に、もう1台は道路に対して並行に駐車できる形にしました。
つまり、L字の駐車場配置、です。
普段は、図の右側から来ることが多いです。上図の黒い車は縦列駐車になります(図だと車が逆を向いてます)。
上図の白い車は、黒い車の駐車スペースとの間にあるスペースを切り返しとして活用することで、狭い道路幅でもスムーズに駐車できるようにしました。
検討項目:隣地境界との距離をどうするか
あたり前ですが、まずは法令面の確認です。これらはハウスメーカーや工務店が設計時に検討してくれます。土地を購入する段階で、複数社にプランを出してもらい、問題なさそうか確認しましょう。
建築基準法との整合性
建物と隣地の境界には、法定の最低限の距離が定められています。これは、隣地とのプライバシーの確保や、火災時の延焼防止などを考慮したものです。
建ぺい率・容積率の適用
土地の利用に関する法令に基づき、建ぺい率や容積率が設定されています。これらの制限を守りながら、有効な敷地利用を図ることが求められます。
地域ごとの地方自治体の規制
地域ごとに異なる建築規制が存在するため、地方自治体の条例や規制事項の確認が不可欠です。
土地購入段階では、工務店さんもある程度は上記を考慮してプラン作りをしてくれますが、当然、3日~1週間程度は時間がかかります。
良い土地であるほど、その間に他の人が契約を決めてしまうかもしれません。
不動産屋さんや工務店さんは当然早く決めたいので契約を急かしてきます。ただし、ここで焦らないことが重要です。
土地探しの記事で別途詳細は記載しますが、理想の土地がすぐに見つかって、すぐに契約できるとは考えない方が良いです。
理想の土地が出たらプランを入れてもらい、ある程度、”理想の間取りが入りそう”という確信を得てから土地を契約しましょう。
その間に他に人に取られたらそれは運命。これを2~3回繰り返せば、理想の間取りのイメージが固まってくるので、良い土地が出たときにすぐに決めることができます。
私自身も、2回目の注文住宅では土地探しに半年かけています。”この土地は良いかも”と思い見学して、プランを入れてもらった土地が3件ありますが、うち2件は他の人に先を越されています。
ですが、結果的にはその過程で理想が固まってきたので、最後は不安なく土地を契約することができました。
まとめ
- 間取りの前に「建物配置」と「水回りのフロア配置」を先に決める
- 建物配置は、駐車場の位置と、隣地境界を意識
- 駐車場の位置は、接道の幅の交通量次第で、L字に置く方法もある
- 土地購入時に急かされても焦らないこと
- ”理想の間取りが入りそう”な建物配置を理解しよう
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